洗濯機の置き場は、次の3か所を測ってから機種を絞り込みます。1に防水パンの内寸、2に蛇口の高さと壁からの離隔、3に玄関から設置場所までの搬入経路です。本体の外形寸法だけを見て決めると、防水パンには載っても搬入経路の角を曲がれない、蛇口に本体上面が当たるといった失敗が起きます。先に測ってから、縦型・ドラム式・二槽式のどのタイプの、どの大きさが候補になるかを絞りましょう。

防水パンの内寸をまず測る

防水パン(防水フロアーとも呼びます)は、洗濯機が載る内寸で判断します。外寸ではなく内寸をメジャーで実測してください。同じ「640サイズ」と呼ばれるパンでも外寸表記と内寸には数cmの差があり、洗濯機側が要求する内寸の数値と混同すると測り間違えます。

必要な内寸はタイプ共通ではなく、型番ごとに違います。例えばNA-LX127FLでは、奥行内寸540mm以上・幅内寸590mm以上に加え、奥壁から防水パン前面の内壁まで590mm以上が必要です。「幅580mmあればドラム式を置ける」と一律には判断できません。脚を載せる部分の深さが30mm以上の場合は、専用のフロアーあて板が必要になることもあります。

縦型でも、BW-X90Pは防水パンの奥行内寸530mm以上、NA-FA10K6・FA9K6・FA8K6は540mm以上と条件が異なります。奥行だけで合格とせず、脚の位置、排水口、壁までの距離も候補機種の据付図に重ねて判断してください。

洗濯機の上に別体の衣類乾燥機を置く場合は、洗濯機だけでなくユニット台の脚も収まる必要があります。床置き・直付けなど台の種類と組み合わせる機種を決め、台の設置図も合わせて測ります。

防水パンの規格サイズを知っておく

防水パン(洗濯機パン)の規格には、外寸640×640mm・740×640mm・750×640mm・780×640mm・800×640mmなどがあります。同じ外寸640×640mm表記でも、型番によって実際に洗濯機が収まる有効内寸は581mmから609mm程度まで差があり、740×640mm表記でも有効内寸が709×609mm程度にとどまる例があります。パンの外寸表記だけで必要な内寸を満たせると判断せず、型番ごとの有効内寸で判断しましょう。

蛇口の高さと壁からのすき間を測る

蛇口は床からではなく、洗濯機の脚を載せる設置面を基準に測ります。かさ上げ部品を使うと本体と蛇口の位置関係も変わります。縦型では上ぶた、ドラム式では洗剤ケースのふたや前面ドアを開ける空間まで必要です。

NA-LX127FLは蛇口139cmと上方30cmが目安

NA-LX127FLの設置条件は次のとおりです。同じドラム式でも別機種へそのまま当てはめず、候補の型番ごとに照合してください。

NA-LX127FLの設置空間
判断軸NA-LX127FLの条件と判断
設置面から蛇口まで1,390mm以上なら壁ピタ水栓は不要。1,040mm以上1,390mm未満は蛇口のタイプにより必要。1,040mm未満は必要
設置面から棚・天井まで本体高さ1,038mmに上方300mm以上を加え、1,338mm以上。洗剤ケースのふたを開けるための空間も含めて確保
背面・側面の壁まで後方10mm以上、側方10mm以上。ただし排水ホースを接続する側は90mm以上。前面は開放
背面の壁から前方までドアを開けるため1,236mm以上。開いたドアで洗面所の通路がふさがらないかも測る
左開きドアの側面ドアを開ける側の側面に66mmの空間が必要。壁や収納との干渉を避ける

壁ピタ水栓は、低い蛇口が本体と干渉するときの別売部品です。例えば蛇口高さが122cmの置き場では、NA-LX127FLを「水栓交換なしで置ける」とは決められません。蛇口の形と位置、本体を前や横へずらせるかを販売店へ伝え、必要部品と費用を購入前に確定させましょう。賃貸で水栓交換が必要なら、管理会社への確認も先に済ませます。

排水口が本体の真下に隠れる場合も、接続用の部品や高さの確保が必要になることがあります。防水パンの幅・奥行と合わせて、排水口の位置を写真に残しておくと据付相談に使えます。

玄関から設置場所までの最狭部を測る

搬入経路は、建物の入り口、エレベーター、階段、玄関ドア、廊下の曲がり角、設置場所の入り口まで測ります。直線の最狭幅だけでなく、曲がり角では機体を回す奥行、ドアではノブなどの出っ張りも測ってください。

カタログの「ボディ幅」と「総外形幅」は別の値です。例えばTW-127XP5Lは左右の手掛け部を含むボディ幅600mm、総外形幅645mmです。幅600mmの通路があれば運べるという意味ではありません。運搬する人が持つ余裕や経路の形状が必要になるため、候補の型番と経路の実測値を販売店へ渡し、通常搬入で対応できるかを購入前に判定してもらいましょう。

タイプ別の外形寸法の目安

同じ「洗濯機」でも、タイプによって置ける場所の条件が変わります。代表機種の公表寸法で比べると、次のような違いがあります。表の幅は、給排水ホースを含む値か公式の外形寸法かが型番によって異なるため、候補が決まったら本文の説明で基準を揃えて比べてください。

表は横にスクロールできます

タイプ別の外形寸法・防水パン・質量の目安
判断軸外形寸法(幅×奥行×高さ)防水パンの目安質量
縦型(コンパクト・洗濯専用/IAW-T502E)約555×525×920mm必要内寸の記載なし(脚寸法を要照合)約31.0kg
縦型(大容量・洗濯専用/BW-X90P・NA-FA9K6等)約592〜608×635〜650×1,000〜1,071mm内寸奥行530〜540mm以上約39kg(BW-X90P)
ドラム式(NA-LX127FL・TW-127XP5L・ES-12X2)約639〜645×719〜732×1,060〜1,120mm内寸奥行520〜540mm以上約80〜89kg
二槽式(PS-65AS2)約800×434×882mm規格パンの指定なし(別売トレーで水受けを追加可)約27kg

縦型は洗濯専用が中心。乾燥まで任せたいならドラム式を見る

一人暮らし向けのコンパクトな縦型では、アイリスオーヤマのIAW-T502E(洗濯・脱水容量5.0kg)が幅555×奥行525×高さ920mm、質量約31.0kgです。製品ページには防水パンの必要内寸の記載がありません。外形の奥行525mmと防水パンの内寸を直接比べても、脚が載るかは決まりません。脚の寸法と排水接続の空間を販売店に照合してもらってください。

大容量帯では、日立のビートウォッシュBW-X90P(洗濯・脱水容量9kg)が幅608×奥行650×高さ1,000mm、質量約39kg、設置可能な防水パンは内寸奥行530mm以上です。BW-X90Pは乾燥機能を搭載していません。パナソニックの10〜8kgモデル群(NA-FA10K6・FA9K6・FA8K6)は総外形寸法が幅592×奥行635×高さ1,071mm(左右の手掛け部を含めた幅は558mm)で、こちらも「全自動洗濯機」に分類され、乾燥機能を搭載していません。乾燥まで機内で仕上げたい場合はどちらも対象外になるため、次のドラム式洗濯乾燥機を検討してください。

乾燥も使うドラム式は扉前の空間まで測る

乾燥まで機内で仕上げたいなら、次の3機種が候補です。パナソニックのNA-LX127FL(洗濯12kg・乾燥6kg)は、給排水ホースを含む本体寸法が幅639×奥行732×高さ1,060mm、対応防水フロアーは奥行内寸540mm以上です。東芝のTW-127XP5L(洗濯12kg・乾燥7kg)は総外形645×奥行720×高さ1,060mm、防水パンは奥行内寸520mm以上、シャープのES-12X2(洗濯12kg・乾燥6kg)は幅640mm(排水ホースを含む)×奥行719×高さ1,120mm(給水ホースを含む)、防水パンは内寸奥行540mm以上です。

同じ「洗濯12kg」でも、乾燥容量は6kgと7kgに分かれ、必要な防水パンの奥行も520mmから540mmまで機種で差があります。まとめ洗いした量をどこまで機内乾燥したいか、防水パンの実測値が何mmかの両方で候補を絞ってください。

二槽式は正方形の防水パンを前提にしない

二槽式は、洗い槽と脱水槽が横に並ぶため、他のタイプとは違う縦横比になります。日立のPS-65AS2(洗濯・脱水容量6.5kg)は幅800×奥行434×高さ882mm、質量約27kgです。幅800mmは防水パン規格の外寸表記800mmと近い値ですが、有効内寸同士を比較したものではありません。奥行は434mmと大きく浅く、正方形の防水パンにそのまま載せる設計ではありません。防水パンの規格サイズの指定は見当たらず、別売の「洗濯機用トレー」で水受けを追加できます。防水パンの規格に当てはめようとせず、設置面の水平と強度、トレーの要否を確認してください。

賃貸は防水パンと排水口の位置を先に確定させる

賃貸では、防水パンや排水口の位置をあとから変更しにくいことが多く、まず今ある防水パンの規格と排水口の位置を先に確定させます。そのうえで、玄関からの搬入経路、洗面所やキッチンとの位置関係、上下階への防振・防音の配慮が必要かどうかを確認してください。

契約前に交換や搬入経路の変更ができるか分からない場合は、管理会社や大家に防水パンの規格と排水口位置を確認してから機種を決めると、購入後に置けないという失敗を避けられます。

置き場の条件から機種タイプを判断する

置き場の実測値からタイプを絞り込む目安
判断軸判断の目安
防水パンがないパンの内寸では判定しない。床の水平・強度、排水接続と機種の設置条件を照合し、トレーなどの要否を販売店に相談する
防水パンの奥行内寸が530mm未満BW-X90Pの奥行530mm条件には届かない。コンパクトな縦型や二槽式は脚寸法・排水接続を個別に照合。奥行520mm以上ならTW-127XP5Lも奥行条件の候補に入る
防水パンの奥行内寸が520mm以上あり、乾燥まで機内で仕上げたいTW-127XP5Lは奥行520mm以上、NA-LX127FL・ES-12X2は540mm以上が条件。幅、蛇口、開扉空間も満たす機種を選ぶ
防水パンの奥行内寸が530mm以上あり、乾燥機能は不要BW-X90Pは奥行530mm以上、NA-FA9K6などは540mm以上が条件。上ぶたと蛇口の干渉がないかも測る
搬入経路の最狭部が候補機種のボディ幅(手掛け含む)に対して余裕が少ない購入をいったん保留し、型番と経路の幅・曲がり角の寸法を販売店へ渡して搬入可否を確定する

型番比較に進むのが向いている人:測定値が揃っている

防水パン、蛇口、棚、ドア前の空間、搬入経路を測れた人は、上の表から寸法条件に合う型番を絞れます。乾燥を使うならドラム式の開扉空間まで、洗濯だけなら縦型の上ぶたまで含めて比べましょう。

すぐに購入するのが向いていない人:工事や搬入が未確定

水栓交換の可否が分からない、排水口が隠れて接続方法が決まらない、狭い曲がり角を通せるか分からない段階では購入を待つのが向いています。置き場と経路の写真・実測値を販売店に渡し、必要な部品や工事を含めて見積もりを取ってから決めてください。条件に届かない機種は、より小さい本体や開き方の異なる機種へ候補を替えます。

容量も一緒に決めたい人は洗濯機の容量と設置寸法の選び方、乾燥を使う頻度で迷う人はドラム式と縦型洗濯機の違いも判断材料になります。

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